渡辺 紀子
【きかんぼサキ第2部】ここで生きる~大人の扉~
渡辺 紀子(わたなべのりこ) サキノには、自分の結婚式の記憶がほとんどない。 足入れの時の、大雪の中での引き渡しの場面など、ついこの間のことのように語っていたのだが・・・。 結婚式こそ忘れ ...さらに表示
【きかんぼサキ】そして、母になる
渡辺 紀子(わたなべのりこ) サキノが家出している間にも着々と話は進み、戻ってみると、サキノの嫁入りは2カ月後と決められていた。泣く泣く帰っては来たものの、気持ちを整理し、母と暮らす最後の時 ...さらに表示
【きかんぼサキ】売り言葉に買い言葉~仰天の初顔合わせ
渡辺 紀子(わたなべのりこ) あまりに突然の話だった。夕食を取っていた時のこと、サキノの母親がいきなり話を切り出してきた。「サキ、嫁に貰いてぇって話が来たんだが、考えてみねぇか」。「おら、や ...さらに表示
【きかんぼサキ】シュプレヒコールが響くころ
渡辺 紀子(わたなべのりこ) サキノが就職した昭和35年は、横田鉱山の全盛の頃だった。この鉱山からは銅、亜鉛、鉛、バライトが採掘されていた。全国の鉱山を渡ってあるく鉱員が沢山いて、青森や秋田 ...さらに表示
【きかんぼサキ】夜な夜な向かう先は
渡辺 紀子(わたなべのりこ) サキノが高校2年の時、父が亡くなった。三人の姉も嫁ぎ兄も就職で家を出ていたため、そこからサキノは母との二人暮らしとなる。高校卒業後の就職はまず家から通えるとこ ...さらに表示
【きかんぼサキ】恋の気配
渡辺 紀子(わたなべのりこ) 「なに!受かっちまったのか?困ったなぁ。なじょすんべ」。 サキノが高校合格を知らせた時、母の第一声はこれだった。 「今なら大喜びされるはずが可笑しな話だべ。 ...さらに表示
【きかんぼサキ】水辺の風景
渡辺 紀子(わたなべのりこ) 「本名は水をうんと大事にする村だったんだ」懐かしそうに語る方がいた。かつて本名では江戸時代に水路の整備を整えたことで村の中を堰が巡らされ、その堰の水が暮らしには欠 ...さらに表示
【きかんぼサキ】初めての病院
渡辺 紀子(わたなべのりこ) 日頃の定着したイメージは、そうそう崩れるものではない。サキノにとって代名詞のような“きかんぼサキ”が、時によって厄介なことを招くこともある。 サキノが通 ...さらに表示