渡辺 紀子 | 奥会津ミュージアム - OKUAIZU MUSEUM

【きかんぼサキ第2部】教えられ、支えられNEW

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  サキノの毎日は、旅館の仕事は勿論、集落の人の顔と名前そして、各家の様子なども覚えていかなくてはならない日々だった。何も分からず二十歳そこそこで嫁いだ嫁は、おそら ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】怖い部屋

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  いつ頃だったのだろう。サキノの旅館に宿泊したお客様が「いいところだったんですけど…何だか少し怖い部屋でした」 こんな一言を、去り際にそっと呟かれたことがあったと ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】暮らしを彩る芸事

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  山あいにひっそり佇むひなびた温泉宿。こんな表現がしっくりくる場所だった。ところが、時に全く違う印象の場に変わることがあった。それは同じ村の坂内宗市さん(92歳) ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】記憶も奪った水害

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  「はぁ、ここにはいられねぇな」 目の前に広がる光景に、サキノはそう思ったという。昭和44年の水害は、きかんぼサキノにすらそう思わせる程のものだった。  突 ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】魚に挑む

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  農家から旅館に嫁いだサキノにとって、結婚生活は仕事も生活もあらゆるものが初めてのことばかりだった。野良仕事は得意でも料理は家に居る母任せだったままに嫁いでしまい ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】忘れられない一夜

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  まだ雪の降らない頃だった。9月頃だっただろうか。サキノは幼い娘(私)を背負い、一人実家に帰る決意をした。家を出たのは夜も更けた10時頃だったようだ。夫・紀由に気 ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】一騎打ち

渡辺 紀子(わたなべのりこ) 「乙松だと寄りたくねぇが、紀由だと寄ってみたくなるなぁ」。 サキノの義妹は、村の人たちのこんな呟きを聞くことがあったという。乙松じぃは向きのない(愛想の良くない) ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】痛くない注射

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  サキノの夫・紀由が営む商店は、様々な品を扱うよろずやだった。食料品は勿論だが、店に並べていた品物を聞くと、その当時の村の様子が垣間見えてくる。当時、取引先の卸屋 ...さらに表示