菊地 悦子 | 奥会津ミュージアム - OKUAIZU MUSEUM

【小説】 ちぃ神さんの大イチョウ 最終話

 コウコの家では、カマモトと、驚いたことにカマモトのじいちゃんとばあちゃんも揃って囲炉裏を囲んでいた。 「孫だちの話、聞いたべや」 コウコのばあちゃんがいった。 コウコとカマモトは、おらのこと ...さらに表示

2023.11.15 小説

【小説】 ちぃ神さんの大イチョウ その6 

菊地 悦子(きくちえつこ) 【その6】 「作戦会議を始めます おらたちは放課後、図書館の片隅に集まっていた。「僕とコウコで考えたんだけど、座敷わらし作戦はどうだろう」 カマモトのいうのは ...さらに表示

2023.11.01 小説

【小説】 ちぃ神さんの大イチョウ その5 

菊地 悦子(きくちえつこ) 【その5】  カマモトはおらが何なのか、どうしても突きとめたいらしい。コウコも面白がっている。おらだって気にならないわけじゃない。「とりあえず、有力なのは座敷 ...さらに表示

2023.10.15 小説

【小説】 ちぃ神さんの大イチョウ その4 

菊地 悦子(きくちえつこ) 【その4】 「誰か人よんでくっから、コウコはここで待ってろな」 おらはそういって、村に飛んで戻った。「誰か、誰か、コウコが池で怪我した。誰か、早くきてくんつぇ ...さらに表示

2023.10.01 小説

【小説】 ちぃ神さんの大イチョウ その3 

菊地 悦子(きくちえつこ) 【その3】  村の棚田に水が張られ、青い空を映し出していた。もうじき田植えが始まる。大人はもちろん、少し大きいこどもらもみな総出の、忙しい時期がやってくる。  ...さらに表示

2023.09.01 小説

【小説】 ちぃ神さんの大イチョウ その2 

菊地 悦子(きくちえつこ) 【その2】 「なあ、これ」 コウコがイチョウの幹を指さし、おらを振り返った。見なくてもわかっている。ふたりでつけた背比べの跡だ。コウコがまだ今よりずっと小さか ...さらに表示

2023.08.15 小説

【小説】 ちぃ神さんの大イチョウ その1 

菊地 悦子(きくちえつこ) 【その1】  小気味よい音をたてて空き缶が飛ぶと、こどもたちは「逃げろっ」と叫びながら四方八方に駆けだした。空き缶をけるのは、四年生のカマモトだ。隠れる時間を ...さらに表示

2023.08.01 小説

【小説】 身欠きニシンと不思議の山 

菊地 悦子(きくちえつこ)  タケシが学校から帰ってくると、思ったとおり身欠きニシンの束が土間にどっかり置かれていた。こないだっから、かあちゃんが「ニシン売り、明日あたり来んでねえべか」といっ ...さらに表示

2023.07.15 小説