渡辺 紀子 | 奥会津ミュージアム - OKUAIZU MUSEUM - Page 3

【きかんぼサキ】冬の通学 ところ変われば

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  産んでくれる親を選べないように、生まれてくる場所も選べない。生まれて暮らす土地の違いで運、不運があること、誰でも一度くらいは感じたことがあるだろう。サキノの通う ...さらに表示

【きかんぼサキ】ワラビ採り大会 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  中学では“ワラビ採り大会”という行事があった。農繁期の田植えは子供たちも駆り出されるので、田植え前に行っていたという。その日一日授業はなく、全校生徒が山に行きワ ...さらに表示

【きかんぼサキ】本名っ子デビュー

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  「中学に出るまで、川口(中学校がある村)なんて1回も行ったこと無かったなぁ。本名から出たのは祭りに呼ばれた時くらい。おばサ(伯母さん)の家がある西谷に行っただけ ...さらに表示

【きかんぼサキ】 お歯黒

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  集落に急激な変化の波が押し寄せた昭和20年代後半は、まるで時が早送りされているような日々だっただろう。その同じ土地にあっても、まるで別の時が流れているような人た ...さらに表示

【きかんぼサキ】 秋泊り 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  秋の収穫が終わり一段落する11月頃になると、本名集落の家々が賑わう季節がやってくる。嫁いだ娘たちが実家に帰る“秋泊り”が始まるのだ。その時期になると、村では娘を ...さらに表示

【きかんぼサキ】 品物の並ばない店 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  ダム建設の頃、村の変貌に振り回されていたのは大人たちだったろう。これまでにない誘惑の罠がすぐそばにちらついていた。それはサキノたち子どもの比ではなかった。 ...さらに表示

【きかんぼサキ】 映画館の用心棒 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  夕方になると、ダム工事の現場からは仕事を終えた稼ぎの人たちがぞろぞろと集落へ帰って来る。様々な職の人たちが行き交う姿に、子どもたちは驚いたり戸惑ったり…遠巻きに ...さらに表示

【きかんぼサキ】 銀座通り 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  サキノの家の前は集落のメインロードだった。工事が始まり銀座通りなどと呼ぶ人があったが、まんざら嘘でもない。食堂、飲み屋、肉屋、呉服屋、床屋、駄菓子屋、小間物屋、 ...さらに表示