渡辺 紀子 | 奥会津ミュージアム - OKUAIZU MUSEUM - Page 3

【きかんぼサキ】 秋泊り 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  秋の収穫が終わり一段落する11月頃になると、本名集落の家々が賑わう季節がやってくる。嫁いだ娘たちが実家に帰る“秋泊り”が始まるのだ。その時期になると、村では娘を ...さらに表示

【きかんぼサキ】 品物の並ばない店 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  ダム建設の頃、村の変貌に振り回されていたのは大人たちだったろう。これまでにない誘惑の罠がすぐそばにちらついていた。それはサキノたち子どもの比ではなかった。 ...さらに表示

【きかんぼサキ】 映画館の用心棒 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  夕方になると、ダム工事の現場からは仕事を終えた稼ぎの人たちがぞろぞろと集落へ帰って来る。様々な職の人たちが行き交う姿に、子どもたちは驚いたり戸惑ったり…遠巻きに ...さらに表示

【きかんぼサキ】 銀座通り 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  サキノの家の前は集落のメインロードだった。工事が始まり銀座通りなどと呼ぶ人があったが、まんざら嘘でもない。食堂、飲み屋、肉屋、呉服屋、床屋、駄菓子屋、小間物屋、 ...さらに表示

【きかんぼサキ】 残飯娘 鳴り響くクラクション 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  残飯娘は1台のリヤカーに、いつも12個の桶に残飯を入れて戻る日々だった。リヤカーにはまず側面に板で少し高い壁を作っておく。下段には6個の桶をピッタリと置き、その ...さらに表示

【きかんぼサキ】 残飯娘 合言葉は花子さん  

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  P隊の宿舎へは、子供の足で片道40分はかかる道のりだった。サキノたち残飯娘の朝は早く、いつも5時くらいには起きて集合。1台のリヤカーを引きながら、目的の本名作業 ...さらに表示

【きかんぼサキ】 残飯娘 受刑者のもとへ 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  ダム建設工事で、本名集落はかつてない活気に溢れていた。東北電力やその関連会社、間組や前田建設といった大手建設会社の社員たちが、大勢村に入ってきていた。しかし、こ ...さらに表示

【きかんぼサキ】 知らない人で溢れる家 

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  本名の集落の変貌は、日々めまぐるしいものだった。見たこともない店、見たこともない施設、見たこともない人たちで、村はみるみる溢れてきた。そして、その波はサキノの家 ...さらに表示