渡辺 紀子 | 奥会津ミュージアム - OKUAIZU MUSEUM

【きかんぼサキ第2部】ひょっとこ女将

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  サキノの叔母に保健婦をしている人がいた。町の役場に勤め真面目できちっとした性格で、何かとサキノのことは気にかけてくれる人だった。その叔母が趣味で日本舞踊を習って ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】夫の形見の大型バス

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  サキノの旅館の周りに蕗の薹がポツリポツリと姿を現す頃から、旅館にもそんな山の幸を売りに来る人がポツンポツンと訪ねてくる。「〇〇採れたから、また使ってくんつぇ」と ...さらに表示

きかんぼサキ・こぼれ話

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  「お母さんを取材対象に書いてみたら?」と言われた時の困惑は、決して忘れられない。頭が真っ白になるというのは、ああいうことなのかもしれない。一瞬の思考停止の後「絶 ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】火事~忘れようもない夏

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  あれは私が中学一年の夏だった。バレーボールの部活があり、校庭で練習を始めて間もなくの時だったような気がする。真夏の日差しというよりは薄曇りの空の色を覚えている。 ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】子どもにだけは…

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  私には、サキノからも紀由からも言われることなく終わった言葉がある。それは“勉強しろ”という言葉だ。どんなに思い出しても一度も言われた記憶がない。普通の親ならば、 ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】語るなかれ、聞くなかれ

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  年末年始のお客様が落ち着いた頃、サキノの家では必ず出掛ける場所がある。それは、栃木県鹿沼市にある「古峯神社」。集落の皆が「古峰ヶ原(こぶがはら)様」と呼んでいる ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】日本秘湯を守る会

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  旅館には見ず知らずの人が訪ねて来ては泊まっていく。初めて訪れた人は宿帳を書いて頂くまで、どこから来たどんな人かは分からない。日々新たな出会いを繰り返している。で ...さらに表示

【きかんぼサキ第2部】布団をめくれば

渡辺 紀子(わたなべのりこ)  サキノは女性ドライバーの先駆けだった。誘われて町の商工会に入会するのだが、その活動でもサキノは重宝な存在だったらしい。会議や催しで近隣や福島市等へ出掛けなくては ...さらに表示