山行記⑤ | 奥会津ミュージアム - OKUAIZU MUSEUM

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山行記⑤ NEW

2026.05.15

舟木 志子(ふなきゆきこ)

岩倉山 鬼子母神祭

 毎年5月5日には、三島町の西方地区にある「西隆寺」と岩倉山山頂にある「鬼子母神堂」において「鬼子母神例大祭」が開催される。
 岩倉山の表参道は西隆寺の脇から登る約2キロのコース。標高は約500mの低山だ。
 鬼子母神は子育ての神様。例大祭には地域住民を中心に、たくさんの人たちが山に登り参拝する。今年も快晴の空の下、何組もの親子連れなどが登っていた。小中学生が中心だが、中にはもっと小さな子も父母に手を引かれ頑張っている。もちろん、昔の子供たちも。
 登山道はよく整備されていて歩きやすい。広葉樹の新緑が陽射しをさえぎり木漏れ日が心地よい。足元にはチゴユリやキバナイカリソウなどが咲く。30分ほどで鬼子母神堂のある山頂に到着。目の前には志津倉山、そのすぐ右手奥には博士山、左手には明神ヶ岳。さらに左側には磐梯山も。視線を下に向ければ只見川が悠々と蛇行しながら流れている。その手前は西方の集落だろうか。春の風に包まれた、なんとも美しい景色が広がる。

 山頂には手前に三十三観音が鎮座し、その奥にはお堂があって鬼子母神様が祀られている。いつも思うのだが、石造りの三十三体の観音様は江戸時代の作と伝えられているが、昔の人たちはどうやってここまで運んだのだろうかと、驚かされる。「倉」とは神の座す所という意味がある。倉を成す岩山の石を現地で彫ったのか?当時の人々の信仰の篤さを感じずにはいられない。
 お堂の脇ではご祈祷やおみくじ、お守りなどを頂くことが出来る。御護符のお団子を頂き、鬼子母神様に孫たちの健やかな成長、無病息災をお祈りして下山する。

 西隆寺でもご祈祷やお札をお受けでき、神楽などの催しもある。また境内ではカレーやうどんなどの軽食がいただける他、子供たちが喜びそうな出店もあり、にぎわっていた。下山後の程よい空腹にバターチキンカレーの香りが食欲を刺激する。春のうららかな陽射しと柔らかな新緑の下で、子供たちの笑い声に包まれながら、心もお腹も満ち満ちた、幸せなひと時を過ごす。

 
 西方の鬼子母神例大祭は、地域の皆さんの気持ちのこもった祭りだ。派手さはないが、心が温もる時間を過ごせる。来年も山頂の鬼子母神様に会いに、そしておいしいカレーを食べに、また来たいなと思いながら帰路についた。

■コースタイム:10:35 西隆寺より登山開始 11:00 山頂の鬼子母神堂到着         11:10 下山開始 11:35 西隆寺へ下山