舟木 志子(ふなきゆきこ)
石城山(昭和村)途中撤退 2026年3月8日
石城山は昭和村と南会津町南郷の間に位置する986m峰。この山は3年ほど前に友人から聞き気になっていた山だ。友人によれば、大芦地区に住む古老が子供の頃に登って遊んだ山だそうだ。その頃は、雪のない時期に、玉川渓谷添いの寝牛岩辺りから登ったらしい。
今回、登山の計画を立てるにあたり、登る時期を検討する。まず人が入っていない山なので、藪がひどいと思われ。また熊と出くわす心配を考えると、残雪期が適切と判断した。
ルートは、寝牛岩から入るには沢を渡らなければいけないが、雪解け水が多ければ渡れない可能性がある。地図を眺めると、手前の林道を利用すれば橋があるので、渡渉せずに何とか行けるのではないかと考察。寝牛岩から行くコースとは別の尾根を歩くようになるが、地図を見る限り何とか行けそうだ。行きたいと切望していた件の友人を誘う。
当日の天気は昼頃まで雪、風は強い予報だ。出発時間を予定より1時間遅くして登り始める。新鳥居峠の除雪最終地点から国道に沿って歩き始める。前夜に降った雪は春の雪なのでやや重い。しばらくは国道沿いを歩き、途中から「奇岩桧淵」(きがんひのきぶち)と書いてある看板のところを右折し林道に入る。淵まではところどころショートカットしながら下る。ほどなくして奇岩桧淵に到着。巨岩と清流が美しく、夏場はテントを張って川遊びや魚釣りを楽しむ人もいるそうだ。また秋には紅葉が美しく、水面に写り込んだ様はまさに「水の上にも織る錦」。そしてそこにはコンクリート製の堰のような橋があった。雪解け水で増水し橋の上にも水が流れていて、見た感じは浅そうだったが、渡ってみるとくるぶし程度はあった。

橋を渡り、そこからは登りとなる。林道を外れ尾根に上がるまではなかなかの急登だ。ようやく尾根に上がるも、木々に阻まれ遠景の眺めは今ひとつ。それでもそのころには雪は止み青空ものぞき始める。降雪後の山々は銀色に輝き、雪化粧した木々が美しい。楽しみながらも、藪あり、急登ありの尾根筋を慎重に歩く。いくつかのピークを登ったり下ったりしながら、ようやく834mのピークまでたどり着く。次はいよいよ山頂に向けて急な登り、今日の核心部だ。気持ちを引き締めて登り始めるが、やはり急斜面の難所が出現。友人はもうだいぶヘトヘトな顔をしている。下山の事も考えると我々の力量ではこれ以上進むのは難しいと判断し、ここを今日の頂上として折り返すこととする。

下山では、ユキヤナギの芽吹きやオオカメノキ、クロモジなど木々の冬芽を観察。橋のところでは、気温が上がりさらに増水していたためかんじきを外し慎重に渡る。往路に比べるとかなりの水圧を感じる。ゲイターをつけた登山靴の上からも少し浸水した。
橋を渡り、ホッとしたところで昼食を摂る。前夜のフキノトウの天ぷらを細かく切って醤油で味をつけ、ご飯と混ぜて握ったおにぎり。油と炭水化物は運動時の最強のエネルギーだ。そして春の香りが鼻をくすぐる。それと温かいスープで栄養と元気を注入し、もうひと頑張り。帰りは林道と国道をショートカットせずに歩き、13:30過ぎに無事下山した。
登頂は出来なかったが、昔日の子供たちに想いを馳せながら里山の1日を楽しんだ。

コースタイム:新鳥居峠昭和村最終除雪地点発7:40 林道入口8:30
折り返し地点10:50 下山13:35